抽象化と補間
夜、皇居の周りを走るか歩いている。
左に黒い森。
霧が出ている夜は、輪郭が滲む。
遠くには巨大なビル群が固まって立っているのが夜に沈み、一つの巨大な灰色の城塞のようだ。
その灰色の城塞の無数の窓から光が漏れている。
その抽象化された風景をみていると、今自分は走っていると同時に、
あの巨大な城塞都市の窓の光の下にも居るような気持ちになる。
過去から未来へ向かう矢がペタンと横に倒れ、
全てが今同時に起きているような気持ちがする。
これは多分ノスタルジーだ。
過去と未来を得たヒトが、その束縛から逃れられる瞬間、というのが、ノスタルジーなんじゃないかと、思った。
事物が抽象化されると、そこにヒトは勝手に情報を補間する。だから抽象的な事物は豊かなのだ。
みたいなことを書こうと思ってたんだけど、全然そういう話にならなかった。

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